函館開建と商店街振興組合、国道工事期間で見解相違

update 2003/9/4 10:58

 函館市亀田本町のJR五稜郭駅周辺の複合商業施設建設計画をめぐり、計画主体の五稜郭駅前通り商店街振興組合と、沿線の国道5号拡幅工事を進める函館開発建設部との間で、見解の相違が生じ、計画の見直しが必至となった。函館開建は2005年度の工事完了を目標に地権者との移転交渉を進めると、同組合に打診した、とする。一方の同組合は、今年10月に旧建物の解体・建設工事に着手し、来年3月オープンの青写真を描いていた。互いに「こちらの計画内容は知っているはず」と述べ、両者のコミュニケーション不足が浮き彫りとなっている。

 同組合によると、計画は策定費(440万円)の3分の2を道に補助してもらい、昨年度中にまとめた。同駅北側の家電量販店「ヤマダ電機・テックランド函館店」に隣接する民有地(5055平方メートル)に大型店と共同店舗を建設する内容。施行主体は同組合の賛助会員54事業所が新たに立ち上げる事業体で、拡幅で移転を求められる商店の受け皿とする構想だった。

 一方、拡幅工事は、交通渋滞緩和のため、昭和4から赤川函館線までの2・1キロを2車線(幅員15・5メートル)から4車線(同33メートル)に広げる内容。98年度に七飯町側から着工し、すでに約1キロは供用を開始している。本年度末までには、さらに330メートル延ばす予定だが、同組合の建設予定地にかかる部分を含む残り約800メートルは2005年度末が完了目標で、移転交渉は本年度始めたばかり。商店など13軒の移転時期は決まっていない。

 同組合は「6月までに移転が完了すると聞いていた」と強調。予定地内の既存建物5棟うち4棟が国道に面しており、「交渉が成立し、移転しなければ、工事ができない」と困惑する。

 互いに「歩調を合わせ、連携してきた」とするが、調整不足は明らか。函館開建は「組合には事あるごとに説明してきた」というが、組合側は05年度までという認識がない。同組合は「計画書も手渡し、10月までに工事に入ろうとしてるのは告げている」と主張するのに対し、函館開建は「もともと拡幅と施設建設は別な事業だし、そのような話は聞いていない」と、両者の言い分は平行線をたどっている。

 同組合にとって、この計画は商店街の存亡をかけた一大事業。50年代の全盛期には80店を数えた加盟店も現在は24店に。大型店や高層マンションの建設など、再開発計画が幾度となく浮上しては消えた経緯もあり、「少しでも早く、商業施設を建て、地域活性化の起爆剤にしたい」との思いが強い。誘致に成功したヤマダ電機が1月にオープンし、希望が見えてきただけに、同組合は「早急に計画を見直さなければ」と話している。

提供 - 函館新聞社



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