釣り人が熊に追われる
update 2003/9/2 11:57
【熊石】1日午前9時5分ごろ、熊石町の雲石峠付近の国有林に渓流釣りで入っていた、胆振管内白老町の電気工、大森康平さん(61)と同、横山元勝さん(51)から携帯電話を通じ「クマに追われいる」と職場に連絡があり、大森さんの家族が江差署に届け出た。同日午後零時40分すぎ、捜索中の道警のヘリコプターが2人を発見、救助した。2人は衰弱しているが生命に別条はない。
江差署などによると、2人は8月30日午後4時ごろ、国道277号から数キロ入った渓流でイワナを釣り、同日は付近の山林で野宿した。翌31日正午ごろ、下山中に体長1―1・5メートルのクマ1頭と遭遇。クマは30メートルほどの距離を保って2人を追跡。日没まで追いかけられたため、下山を断念し山林で野宿した。
1日午前5時すぎ、下山を試みたが、再びクマが出没。2人は急斜面をよじ登りクマを振り切った。尾根に出た際、勤務先からの携帯電話がつながり、状況を報告。連絡を受けた家族が届け出た。
救助された2人は「爆竹で常にクマを威嚇していた。夜は竹やぶの中で火をたきながら交代で仮眠したが、とても恐ろしかった。関係者に大変な迷惑を掛けた」と話している。
長時間にわたりクマの追跡を受けたことについて、道環境科学研究センター道南地区野生生物室(江差町)の釣賀一二三研究職員は「極めて危険な状態」と指摘。クマが〈1〉周辺に残された釣り人らの残飯などの味覚を覚え、エサを求めて接近した〈2〉体長が1メートル程度の若いクマで人の興味があった―と2通りの可能性があるとみる。「今後も周辺の山林に入った人が同じような事故に遭う可能性がある。十分な警戒が必要」と警鐘を鳴らしている。
提供 - 函館新聞社
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