野田さんが米寿記念し絵画展
update 2003/9/1 11:53
七飯町鳴川に住む野田正五さん(88)が、1日から7日まで、米寿を記念した絵画展をアートギャラリータカギ(函館市柏木町2)で開催する。自身にとっては3度目となる絵画個展。体調万全とはいえない中でも創作意欲は旺盛で、周囲の勧めと支援で米寿記念展が実現した。会場内には、妻の千代美さん(82)が今回の絵画展のために詠んだ短歌も飾られており、野田さんは「体が思うように動かず苦しいが、年齢は関係ない。年をとってもやる気次第」と、力強く話している。
野田さんは、函館生まれ。幼少のころから絵が好きだったが、本格的に始めたのは厚沢部町役場に勤務していた50歳のころ。その後、60歳で今金町役場を定年退職してから、七飯町に移り住み、絵画に没頭する日々を送ってきた。
美術月刊誌を購読し、それを教科書に研さん。毎日必ず絵筆を握り、風景、抽象、仏画、人物など、ジャンルを問わず、描きたいものを油彩で自由に楽しんできた。
一昨年、事故で左目を失明してから、創作ペースは落ちたものの、意欲に衰えはない。加齢で歩行に不自由があり、絵筆を持つ手が震える日もあるが、毎朝自分の作品を眺め、部屋にこもって絵に没頭している。
個展は、75歳と80歳の時に函館市内で開いて以来。展示するのは、60歳を過ぎてから描いた油彩28点。仏画、抽象画、自画像、風景画など、日ごろの創作そのままにバラエティーに富んだ作品がそろっている。
中でも、「普賢菩薩」は、8年がかりで取り組んだ労作。個展直前に完成した最新作でもあり、野田さん自身の思い入れもひとしお。顔の表情、装飾品など細かな作業により、年齢を感じさせない繊細な作品に仕上がっている。
野田さんの希望で、一筆したためた千代美さんは「絵筆もつ夫の米寿にいま一度のぞみ持ち来し個展の叶う」と短歌に表現。夫婦ともども、米寿記念展開催の喜びをかみしめている。
提供 - 函館新聞社
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