DV駆け込み増加

update 2003/8/28 11:03

 配偶者や恋人などからの暴力(ドメスティック・バイオレンス=DV)に悩む女性を支援するNPO(民間非営利団体)法人・ウイメンズネット函館(函館市杉並町20、古川満寿子理事長)の駆け込みシェルターの利用者が増えている。4月から6月末までに9人で、昨年同期(5人)の約2倍。相談件数は2001年度をピークに年々、減少傾向にあるが、古川理事長は「問題は潜在化し、苦しんでいる女性は依然多い」と話している。

 配偶者らによる暴力から一時的に避けるために設けたシェルターには最大5人まで入居できる。昨年度は総計24人(子供ら同伴者を除く)が利用し、利用日数は1日から42日で、平均18日。本年度はすでに9人(同伴者3人を除く)が入居しており、昨年度を上回るペースとなっている。

 同団体は、DV防止法に基づき、加害者に半年間の接近などを禁じる「保護命令」の申立書作成にも協力。本年度関与した分だけでも、これまでに6件の保護命令が函館地裁から出されているという。古川理事長は「このままいけば昨年度の8件を超えることになる」と話し、DV自体は減少していないとみている。

 また、DVの相談を受けている渡島支庁環境生活課の担当窓口への相談件数は、8月23日現在で7件。9月から相談窓口を開設した昨年度は、翌年3月までで4件で、すでに上回っている。

 2001年10月に施行されたDV防止法は、来年、見直されることが決まっており、国で作業を進めている。古川理事長は、保護命令の申し立て手続きの簡略化、保護命令期間の延長、携帯電話のメールでの接触禁止、障害者や高齢者のDVへの対応といった改善点を指摘し、「函館では道、警察、裁判所といった行政機関の協力体制が確立されつつある。それでも時に相談者を傷つける言動がみられる。さらに理解を深めてもらえるよう努力していきたい」と話している。(吉良 敦)

提供 - 函館新聞社



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