大妻高に50年ぶり掛け時計復活
update 2003/8/21 10:11
函館大妻高校(外山茂樹校長)の資料室に眠り、半世紀もの間、使われずにいた掛け時計が20日、ねじを巻かれ、新たな時を刻み始めた。第1回卒業生が卒業記念に学校に贈ったもので、外山校長は「大切な“時”が今この瞬間も過ぎ去っていることを生徒たちに感じてほしい」と話している。
記録によると、時計は1926年に贈られ、講堂で使用されていた。当時の写真や施設状況などから、現在地に校舎を移転した53年ごろから使われなくなったとみられる。
外山校長は当初、創立80周年記念事業の一環として、27年の卒業生が贈った大時計を再生する計画を建てていたが、「存在を知らなかった」という1回生の時計を偶然発見。今年7月に完成した同校の「大妻会館」1階集会室で使用することにした。
時計を動かすにあたり、この日、同校の卒業生ら約20人が集まり「メモリアルクロック再生式」を実施。時刻を「9時55分」に合わせ、ねじを巻くなどのセレモニーを行った。
息を吹き返した時計は、内部で小さくばねの音を立てながら、しっかりと可動。午前10時に重厚な鐘の音が鳴り響くと、一瞬間を置いてから、参加者から歓声と拍手が起こった。
古川町の同窓会副会長、山鼻米子さん(77)は「わたしは、60年前に講堂の正面に掛けられていたこの時計のねじを毎朝巻く係でした」と感慨深そうに当時を振り返り、中道の旧職員、上嶋サキさん(81)は「昔の学校時代を思い出す。このままずっと時を刻んでくれたら」と笑顔を見せていた。(後藤泰良)
提供 - 函館新聞社
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