函館市長選挙、井上氏が大差で再選
update 2003/4/28 10:59
任期満了に伴う函館市長選挙と道南の5町長選挙は27日、投票が行われ、即日開票の結果、函館市長選で井上博司氏(66)が2選を果たした。経済界などの保守層を中心に広く支持を集め、元函館市議の斎藤進氏に4万8900票差をつけた。また、上磯町で現職の海老澤順三氏(71)が8選、森町で現職の湊美喜夫氏(74)が9選、厚沢部町で現職の沢田孝一氏(69)が3選を決めた。新人対決の八雲町は商工会会長の山内尊洲氏(62)、今金町は前町総務課長の外崎秀人氏(53)が初陣を飾った。このほか、函館市議会議員選挙(定数34)と14町議会議員選挙も即日開票の結果、全議席の当選者が決まった。
函館市長選で井上氏は、昨年12月に出馬表明して選挙態勢を構築。いち早く支持基盤の保守票を固めたほか、自民党以外にも民主・連合、公明の各党・団体の支持を受け、終始、優勢に戦いを進めた。
選挙戦では市立函館病院の移転新築など3大プロジェクト推進や、市営バス経営の民営移管など1期目に実現した政策を強調、その実績が評価された。また、課題とされる行財政改革や国際水産・海洋都市構想の促進などについても、有権者は井上市政の継続を選択した。
斎藤氏は町会や中小企業を中心とした支援に加え、井上氏への批判票や無党派層などに照準を合わせたが、3月という出馬表明の出遅れや知名度不足が響いた。組織に頼らない草の根選挙も、支持層の拡大にはつながらなかった。
上磯町は、現職の海老澤氏が幅広い支持層をまとめ、2度目の対戦となった元町議の山本正宏氏を約2900票差で抑えた。海老澤氏は、後援会に町内会や商工会、各種団体などほとんどの組織を取り込み、多選批判に危機感を強めながらも手堅い選挙戦を展開した。道町村会副会長など公職も多く、自身の活動量は制約されたが、約170人の後援会役員が町内をくまなく回って支持を確認するなど、着実に票を固めた。
山本氏は、6期務めた町議時代の支持者を核に、自ら町内1300世帯に足を運ぶなど、積極的な選挙戦を展開したが、長期政権の組織の壁を崩せなかった。
森町は、転換期に向けて実績をアピールした湊氏が当選した。湊氏は市町村合併や地方交付税の縮減など、厳しい時代を乗り切るため、8期32年の実績と行政手腕を強調。全町内会に張り巡らせた後援会の組織力を使い、安定した選挙戦を展開、着実に得票を伸ばした。
新人の前町議・松田兼宗氏は、清新さと、住民と情報を共有するまちづくりを提唱して長期政権に挑んだが、若手を中心の草の根選挙は、変化を望む風を起こしきれず、組織の前に跳ね返された。
新人同士の対決となった八雲町は、商工会長の山内氏が前町建設課長の佐々木徹氏を振り切った。山内氏は民間の発想を生かした町政の活性化を主張。商工会長を11年間務めた知名度を武器に、商業者だけでなく漁村部にも浸透した。
今金町は、前町総務課長の外崎氏が道南地区農民連盟委員長の末藤春義氏を抑え、3700票以上集めて圧勝した。外崎氏は、2月末に町に辞表を提出して出馬の意思を固め、保守層のほか農民票にも深く食い込んで、全町から幅広く票を集めた。
2人3脚で町政を運営してきた、現職の沢田氏と前町助役の渋田正己氏の対決となった厚沢部町は、沢田氏が、農村部や高齢者の支持を受けた安定した戦いで3選を決めた。
提供 - 函館新聞社
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