今季のスルメイカ400トン 過去2番目の少なさ 1月27トン

update 2025/2/5 17:45


 今季の道南スルメイカ漁が1月末で終了し、函館市水産物地方卸売市場での生鮮スルメイカ取扱量(昨年6月〜今年1月末)は、前年度比83トン増の400トンとなった。漁期ごとの統計を取り始めた2005年度以降で過去最低を更新した23年度(317トン)を上回ったものの、過去2番目に少なかった。一方、1月に小型イカ釣り漁船が前浜に出て27トンの漁獲があり、13年ぶりに1月単月で20トンを超えた。

 市農林水産部によると、1月の漁獲の内訳は上旬12トン、中旬7トン、下旬8トンで、出漁日数は7日(23年度ゼロ)。漁期トータルの1キロ平均単価は過去最高だった23年度(1344円)より76円安い1268円で、2年連続で1000円を上回った。取扱金額は同8133万円高い5億775万円だった。

 今季は、単月の水揚げが前年度を上回ったのは昨年7月、8月、11月、12月、今年1月の5カ月。11月(119トン)が7年ぶりに100トンを超す好漁で、全体の数量を押し上げた。

 同部は「23年度の数量を上回り、喜ばしい。需要期の夏に漁獲が伸び悩んだのは残念だったが、10月下旬〜11月上旬に豊漁となり、イカの店頭価格が下がり、前浜にいさり火が見られるなど、一時まちが活気づいた。漁期終盤の1月も前浜で一定の漁があってうれしい」という。

 市は今年度、市小型イカ釣り漁業出漁支援補助金の補助対象を例年10月末だったのを、昨年11月から漁期終了の今年1月末まで延長した。

 道総研函館水試の木村俊介研究職員は「産卵場周辺の海洋環境の変化によって幼生の生き残りが悪くなることで資源量が減少し、函館周辺への来遊量が少なくなった」と分析。1月の漁獲について「水温は昨年とそれほど大きく変わらないので、比較的数が多かった冬生まれ群が、まだ函館周辺に分布していたのに加え、春生まれの個体がある程度混ざっていた可能性も考えられる」と指摘する。来季の見通しは「現在のところ、好漁につながるような情報は得られていないことから、来季も不漁が続く可能性は高い」としている。

提供 - 函館新聞社

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