赤松街道ケヤキ伐採 七飯町「情報共有が不足」

update 2023/8/17 20:41


 【七飯】町鳴川4の国道5号(赤松街道)で、函館開発建設部が沿道に生えるケヤキの木10本を伐採していたことが分かった。函館開建は枝が雪の重みで折れ、車に当たって傷つき、国家賠償の対象になるなどしたため、安全を考慮して伐採した。町は、歴史的な価値がある樹木の伐採について「関係課や関係団体との情報共有が不足していた」(環境生活課)としている。

 函館開建がケヤキを伐採したのは7月27日〜8月1日。ケヤキの樹高は20メートル超。今年1月には、雪の重みで枝が折れ、車に当たって損害が発生し、国家賠償の対象になる事案が1件あった。また、民有地の地権者から枝や葉が落下し被害を与える恐れがあり、伐採要望も上がっていたという。

 町環境生活課によると、函館開建から7月5日付の文書でケヤキ伐採の打診を受け、同12日に町で受け付け、同21日に決済が済んだ。決済は副町長で終わっており、町が伐採に同意した。

 伐採後、町に対し町民から電話と来庁で計3件の苦情が来たほか、経緯を尋ねるケースも2件あった。

 函館開建函館道路事務所は「道路管理者として適正な手続きを踏んで伐採したと認識している」とする。

 赤松街道は函館市桔梗町〜七飯町峠下の14・3キロで、1986年に「日本の道百選」に選ばれ、90年には道の日の愛称募集で「赤松街道」と命名。96年には歴史的・文化的価値を持つ道路であることを示す「歴史国道」にも選定されている。アカマツ、クロマツ、ケヤキは赤松街道を構成する重要な樹種となっており、ケヤキが生えているのは鳴川4付近のみ。

 問題を受け、町議会は、9月6日開会予定の定例会で調査特別委員会を設置する。ケヤキ伐採の経過を調査し、今後の保全対策を検討する方針。

 同課の村山徳収課長は「歴史的な価値がある樹木について、関係課や関係団体の意見を聞く行為を怠っていた。幅広く意見を聞いてから判断すべきだった」としている。

提供 - 函館新聞社

その他の新着ニュース

前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです