大間原発差し止め訴訟 地裁、「原告適格」判断を留保
update 2014/12/26 10:07
【東京】函館市が国と電源開発(東京)を相手取り、大間原発(青森県大間町)の建設差し止めや原子炉設置許可の無効確認を求めた裁判の第3回口頭弁論が25日、東京地裁(増田稔裁判長)で開かれた。最初の争点となっている市の原告適格(=訴える資格)について、増田裁判長は「今のところ判断を留保した上で、実体審理に入るつもりでいる」との考えを示した。
これまでの弁論では、市が訴えの根拠とする「地方自治体の存立を維持する権利」などに対し、国側が「地方自治は函館市の主観的な権利として保障されているものではない」などとして、原告適格はないと主張。電源開発は「現段階では権利内容が不明確かつ未成熟」とし、同じく原告適格を欠くと主張している。
この日は市と国、電源開発がそれぞれの主張に対して反論する準備書面や意見書を提出した中、増田裁判長は、現段階では本案に入る前の原告適格に関する判断を留保し、大間原発が「安全か危険かどうか」などの実体審理に入る意向を示唆するとともに、市側に対して裁判の争点項目を箇条書きで提出するよう求めた。裁判長は国に対しても、市の請求内容への認否にどの程度時間が掛かるのか、検討するよう求めた。
市側は原告適格を立証するため、今後の弁論で法学者らの意見書を出す予定としながらも、争点項目の提出に応じる考え。電源開発が申請した新規制基準に基づく適合審査で、基準地震動が引き上げられていることから、原告団は「基準地震動に関する従来の主張をリニューアルしたものを出したい」としている。
訴状で市は、大間原発で過酷事故が起これば壊滅状態に陥るとし、地方自治体の存立維持権に基づき、運転差し止めを求める資格があると主張。国に対して原子炉設置許可の無効を求めるとともに、市が同意するまで建設停止を命ずるよう求めている。
次回の口頭弁論は3月19日に行われる。
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