ササラ電車80年 元気に試運転

update 2014/11/22 10:06


 函館市企業局交通部は21日、除雪用車両「ササラ電車」の試運転を行った。1934(昭和9)年に東京から車体を購入して80年の節目。竹製のブラシを勢いよく回転させ、駒場車庫から五稜郭公園前電停間を往復。冬本番に向けて、出動準備を整えた。

 ササラ電車は明治末から東京で客車として運用した後、34年の函館大火で焼失した車両を補充するために購入。37(昭和12)年に除雪車両に改造され、2両が現役で稼働している。少雪で出動がない年もあったが、2008年度以降は毎年走行し、昨季はことし1月から3月に延べ10両、約172`の除雪に従事した。

 ササラは、孟宗竹(もうそうだけ)を竹ひご状に細かく割った束で、車両の前後に計864束を取り付けて、高速で回転させて軌道上の雪をはねのける。地面との摩擦で削られるなど、シーズン中の交換作業も必要になる。軌道上を走行できるトラック「軌陸車」での除雪が主流だが、降雪が多い日はササラ電車の機動力が発揮される。

 同部事業課は「急などか雪≠ノよる運行障害を防ぐためにササラ電車が活躍している。車両は老朽化しているが、整備をしながら大切に使用していきたい」としている。

提供 - 函館新聞社

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