青森原発21年度にも稼働 適合審査年内申請へ
update 2014/11/14 10:14
【大間】電源開発(東京)の北村雅良社長は13日、青森県大間町で建設中の大間原発について、年内に原子力規制委員会への適合性審査申請を行い、工事完了を2020年12月、試運転を経て21年度の運転開始を目指す考えを明らかにした。北村社長は「審査期間は1年程度を想定している。申請書は最終調整の準備が整い次第、提出したい」と述べた。 同日開かれた同町議会の特別委員会で表明した。北村社長は同町のほか、隣接する佐井、風間浦両村と青森県庁を訪れた。
同社は、追加の安全強化対策工事に約1300億円の費用と5年程度の期間を見込んだ。航空機衝突などテロを含めた重大事故対策として、原子炉冷却を可能とする各種対策を講じる。地震対策では、最大想定の揺れ(基準値震動)を450ガル(振動加速度の単位)から650ガルに引き上げた耐震設計とし、基準津波は、最高水位を4・4bから6・3bに見直す。海抜12bの位置に立地している点を踏まえ、「地上からの津波流入はない」とした。
特別委終了後、北村社長は記者団に対し、「(規制委の)厳しい審査に対応するには相応な時間が掛かるし、掛けるべきだと思っている。希望、期待を込めて1年程度でクリアさせていただきたい」とした。
一方で、係争中の函館市は地元自治体ではなく「関係する周辺自治体」との認識を示し、函館訪問の可能性について「函館市長と話をする機会は、時期が来て必要と判断すれば行こうと思っている」と述べるにとどめた。
同原発はウランとプルトニウムを混合したMOX燃料を全炉心に装荷する世界初の原発。2008年5月に着工、11年の東日本大震災で工事を一時中断したが、12年10月に再開している。
原子力規制委員会は函館市との裁判にかかわらず審査する方針を示しており、田中俊一委員長は12日の会見で「フルMOXは世界でも実例がない。相当慎重に評価することになる」としている。
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