年内衆院解散浮上、各党 臨戦態勢へ
update 2014/11/12 10:11
年内の衆院解散がにわかに強まり、道8区(渡島・桧山管内)の各政党は急ピッチで準備をスタートさせている。安倍晋三首相が年内の消費税率10%への引き上げを見送り、年内にも衆院を解散して国民に信を問うとの見方が、与党内で強まっているためだ。解散から投票まで約1カ月の「超短期決戦」を視野に各党の動きが慌ただしくなる一方、今回のタイミングでの解散に疑問の声も出ている。
解散する場合は2012年12月以来、2年ぶりの選挙戦。道8区では自民党の現職前田一男氏(48)と民主党の前職逢坂誠二氏(55)の出馬が既定路線となっている。
前田氏は「安倍首相が増税についてどう判断するか、それに対して各党がどう反応するかが(早期解散の)ポイントだ」とし、現段階では情勢は流動的との見方を示している。
初当選から2年の間に管内をこまめに回り、支持固めに奔走。解散総選挙については「常在戦場の気持ちでいる」と強調した一方、まだ選挙に向けた準備の指示は出していない。「解散となればすぐに体制を整える。いつ選挙になってもいいように準備を急ぐ」と話し、解散をにらんで動きを活発化させる考えだ。
民主党の逢坂氏は、11日夜に木古内町内で開いた活動報告会で「もしも解散をするならば」としきりに繰り返し、「大企業や投資家に都合の良い政策ばかり。多くの国民にとって良くないことが行われてきた。安倍政権にNOを突き付ける選挙になる」と力を込めた。
解散機運の高まりについて「アベノミクスが行き詰まって消費増税判断ができない先送り解散≠ノなる」とし、「今までの活動の流れをさらに加速させるだけ。指示は出してある」と臨戦モードだ。
共産党も解散の動きを歓迎。党函館地区委員会の三国武治副委員長は「アベノミクスの失敗は明白で、消費税の引き上げで住民生活が苦しくなっている。党勢拡大に向けた絶好の機会で、さらなる消費税引き上げをやめさせる」と臨戦態勢を強める。8区候補者の擁立作業を急ピッチで進めており「一両日中に決定したい」(三国氏)としている。
また、公明党函館総支部の茂木修支部長は「比例代表と(候補者がいる)10区が中心で、8区は政権与党の自民を推す形になるだろう。年内解散ならば、安倍首相には選挙を行う意味をしっかり発信してほしい」と注文を付ける。
解散の場合、2回連続の「師走選挙」となるだけに、関係者からは解散に懐疑的な見方も。ある自民党支持者は「前回選挙で圧倒的多数を確保したのに、敢えて火中の栗を拾う必要があるのか」と疑問視。函館市議の一人は「個人的には来年秋だと思っていた。地方は定例議会のまっただ中だけに大変」と話す。
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