ダカールラリーに函館日野自動車の林さん参戦

update 2014/11/11 10:33


 2015年1月に南米で行われる自動車レースの最高峰「ダカールラリー」に日野自動車(東京)のチームメカニックとして、函館日野自動車(北斗市萩野、河村隆平社長)の林博永さん(38)が参戦する。全国販売会社の公募メカニック枠で、函館日野からの選出は初めて。林さんは「自分たちメカニック担当が力を出し切ればいい結果がでる。力を合わせてやっていく」と意気込んでいる。

 日野自動車のチーム「日野チームスガワラ」は、中型トラック「日野レンジャー」で1991年大会から毎年参戦し、14年まで23回連続で完走(中止の2008年を除く)。トラック部門総合上位入賞を目指している。

 林さんは子どものころからオフロードレースに興味を持ち、94年に函館日野に入社。97年に日野が同レースのトラック部門で1〜3位を独占し、総合優勝を果たしたのをきっかけに夢を目標に変えて仕事に取り組んできた。

 メカニックの選考会への参加条件となる日野のサービススタッフ技術資格の最高位「HS─1」は2010年に取得。昨年秋に選考会への挑戦が社内で認められた。会社としても経験のないチャレンジで、選考会の情報収集や上司が面接の練習を行うなど、林さんを社内一丸でサポートした。

 7月の選考会には全国から12人が参加し、林さんら4人が選ばれた。車両整備の技量だけではなく、資質や行動力などが総合的に判断され、「グループ代表として自らの役割を理解してチームに貢献でき、過酷な状況下でも行動できる強い意志が求められる」(日野自動車広報室)とする。

 林さんは8月中旬にチームに合流。市販車と違い、レース仕様車には徹底した軽量化と強度が求められ、必要な部品の製作も行わなくてはならない。他のメカニックメンバーとともにレース中に起こりうる故障に対処できる能力や製作技術の向上に努めた。

 現在は通常勤務に戻り、12月中旬の渡航に備える。本間昌秋常務(56)は「林は整備の要で、いない間は会社にとって負担にはなるが、社内のモチベーションは高まり、整備の仲間を中心にいい雰囲気になっている。一生に一度のことなので精いっぱい頑張ってきてほしい」と応援する。林さんは「現地に行くまでには覚えなければならないことがたくさんある。他の人の仕事もすべて頭に入れてレースに臨みたい」と話している。

 ダカールラリー 世界最高峰の自動車レースでかつてはアフリカ大陸を中心に行われていたが、政情不安などから2009年から舞台を南米に移した。トラック部門には例年30チーム、75台前後が参戦。排気量10g未満クラスでは現在5連覇中の「日野チームスガワラ」を率いる菅原義正氏(73)=小樽市出身=は、同レースの史上最多出場、最多連続完走など数多くの記録を持つ国内を代表するレーシングドライバーで1号車を担当。2号車ドライバーの二男照仁氏(42)と2台体制でレースに臨む。

 来年のレースは1月3〜17日。アルゼンチン・ブエノスアイレスを発着点に、チリ、ボリビアなどを回る全長約1万`bで、「世界で最も過酷なレース」と異名を持つように、2度のアンデス山脈越えなど難コースが待ち構える。

提供 - 函館新聞社

前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです