旧松橋商店再生へ、明治期に建築
update 2014/11/7 10:23
函館市の西部地区で、かつて海産物委託問屋の松橋象作が明治期に建てたとされる「旧松橋商店」(大町8)の修復工事が大詰めを迎えている。解体の危機にひんした和洋折衷の土蔵造商家を「修復して活用できないか」と地元市民が再生を決意。古写真を参考に建設当時の外装を復元させ、今月中旬に完成する見通しだ。
市内で雑貨店を経営しながら、古建築の再生活用を進める清水憲朔さん(68)らが「所有者が解体する」との情報を聞き、建物を見学。内部はほとんど建築当時のまま残っており、「函館の財産として残していきたい」と商家の再生活用を決めた。
昨年から準備を進め、古写真を参考に、建築士の冨樫雅行さんが図面を作成。8月末から工事を行っている。
建物は1907〜12(明治40〜45)年の間に建築されたとみられ、動物の模様を取り入れたアールヌーヴォー風のレリーフが特徴。3つの建物からなり、正面の土蔵造り店舗の面積は130平方b。ケヤキの洋風階段があり、2階の和室はシタンやコクタンなどの名木を使っている。店舗奥は蔵が続き、清水さんは「レリーフや壁を漆喰で仕上げるなど、意匠性の高さがうかがえる」と話す。
現在は東京の海運会社が所有しているが、約20年前から空き家状態。清水さんらは修復後、カフェやショップ店、事務所などとして貸し出す予定で、「和洋折衷の古い建物が残る街並みは函館の魅力。ここに光が増えることで、西部地区がより明るい雰囲気になると思う」と話している。
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