東山の住宅裏で擁壁倒壊

update 2014/10/22 10:17


 20日午後11時半ごろ、函館市東山2の住宅裏庭で、コンクリート製擁壁の一部が倒壊した。壁の下側に住む会社員男性(61)が物音に気付き、119番通報した。自転車置き場に利用していた屋根と支柱が下敷きとなり、ミニバイク1台と自転車1台が壊れた。けが人はなかった。市は21日午後3時ごろから、山の手1の16、東山2の67の17世帯に37人に自主避難を促している。

 市によると、崩壊した擁壁は鉄筋コンクリート製で、幅9・5b、高さ3・5〜4b、厚さ35a。原因は分かっていないが、函館地方気象台によると、20日は市内で28_の雨量を観測した。

 現場周辺は傾斜地に造成された住宅地で、擁壁は1981年に市内の不動産会社によって建てられ、全長は98b。95年ごろから壁に傾きが見られたことで、市に住民から心配の声が寄せられていた。市は、擁壁を含む土地所有者に保全や改修の要請をしてきたという。

 通報した男性は「市に掛け合っても、私有物なので個人で対処してくださいと、どうにもならない状況が続いていた」と話し、妻(49)は「夜中にカミナリが鳴ったような『ドーン』という音と地響きがした」と驚いた様子。同様の壁が裏庭にある主婦(66)は「ひびなどもあったの不安に感じていた。大雨が降るたびにストレスで寝られない。人の命が奪われてからでは遅い」と心配していた。

 市は山の手町会館に職員2人を派遣し、避難者の受け入れに当たっているが、午後10時現在、避難者はいない。

 現場は二次災害を防ぐため、市が委託した業者によりブルーシートが掛けられているが、崩壊した擁壁の撤去費用などは見通しが立っていない。

提供 - 函館新聞社

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