「森の名手・名人」に澤村さん

update 2014/10/18 10:13


 国土緑化推進機構(東京)が主催する本年度の「森の名手・名人」に、函館市の澤村敏雄さん(85)が渡島管内から唯一選ばれた。澤村さんは「『我流中の我流』を貫いてきた。私でいいのかという気持ちが強い」と謙虚に受賞を喜んでいる。

 林野庁や各都道府県の緑化推進委員会(北海道は「北海道森と緑の会」)から推薦された人を対象に、森の名手・名人全国選定委員会で選定しており、今回で13回目。

 「森の恵み」や「森の伝承・文化」など4部門があり、澤村さんは森づくり部門で受賞した。全国で64人、道内では4人が選出されている。

 澤村さんは旧大野町(現北斗市)出身。1954年から造材・造林業に携わり、山丁林業(函館市金堀町8)社長として森林経営を行っている。製材工場で発生した端材を希望者や小学校へ無償で提供するなど、地域との関わりも深く、2010年度には林野庁長官賞を受賞している。

 澤村さんは「幼い頃から山のそばで育ち、今でも1週間山に入らないと、そわそわするほど山が好き」と笑う。多年にわたる経験に基づき、独自の森林管理をしており、「手入れ次第で木の生長が変わる。過剰な間伐は逆効果で、間伐が遅れ気味のほうが年輪が締まっていい木に育つ」と強調する。

 17日には、渡島総合振興局で認定証の伝達式が行われ、宮内孝局長が澤村さんに「引き続き連携していい森づくりをしていきましょう」と激励した。

提供 - 函館新聞社

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