木質チップ加工施設稼働 知内町 町内外で活用、販売へ

update 2014/10/17 10:03


 【知内】未利用木材をチップに加工して木質バイオマスエネルギーとして活用しようと、町が整備を進めてきた「木質資源貯蔵施設」(町重内)が16日、稼働を始めた。道南の自治体で木質チップ加工施設を設置したのは初めて。できたチップは30日から役場庁舎内の暖房で使うほか、町内外への販売も行う。

 総事業費は約1億円。知内町森林組合と物林(東京)の共同企業体「SBフォレスト」が指定管理者となって運営する。チップの生産量は本年度が140d、2016年度は2730d、19年度には6980dまでの増産を見込む。

 4000平方bの敷地内には、原木置き場や貯蔵施設(木造平屋194平方b)、チップ製造機、原木を運ぶホイルローダがある。乾燥させた原木をカッターで刻むようにして2〜3a程度のチップにする。

 今後、庁舎の暖房や町民プールの温水化など公共施設で使うほか、町内の民間施設や道内の木質バイオマス発電施設などへ販路を広げていく考えだ。

 町産業振興課によると、森林で立木を伐採する際、細すぎたり、曲がっていたりして製材としての利用ができずに切り捨てられる木材が町内で年間1500dほど発生するという。

 これまで山に残置していた未利用資源を有効活用することで、森林整備の推進、化石燃料からの切り替えによる二酸化炭素の削減、運搬や製造など林業の新たな雇用創出が期待される。

 同課林政係の三原知明係長は「今後は公共施設の暖房を順次、木質ボイラーに変えていくとともに、民間での新たな活用法も検討していきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社

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