北海道・北東北の縄文遺跡群世界遺産登録の意義語る フォーラム

update 2014/10/6 10:15


 「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界遺産登録推進フォーラムが5日、函館市内のホテルで開かれた。元文化庁主任文化財調査官の岡村道雄さんが「津軽海峡圏の縄文はここがスゴい!」と題して約70人の参加者を前に講演を行い「津軽海峡圏には縄文文化を凝縮したものがつまっている」と世界遺産登録への意義を語った。

 道など4道県でつくる縄文遺跡群世界遺産登録推進本部の主催。同遺跡群について詳しく知ってもらい、世界遺産登録へ機運を高めようと企画した。

 岡村さんは、森町の鷲ノ木遺跡などを例に挙げ「環状列石と呼ぶ縄文時代の典型的な墓地がある」と説明した上で「津軽海峡文化圏には縄文文化について、見てわかるものがよく残っている。活用する素材として申し分ない」と力強く述べた。

 講演に続いて、遺跡のある函館市や森町、青森県の担当者が、それぞれの観点から同遺跡群の共通性や魅力について語った。

 函館市縄文文化交流センターの阿部千春館長は、縄文時代の交易について説明。「北海道や北東北で出土したヒスイや漆製品などから、津軽海峡圏には、経済的統合があったことを訴えていくべきだ」と強調した。

 森町教育委員会の高橋毅さんは「津軽海峡をはさんで同じような環状列石が見つかっていることから、この地域には意味のあるまとまりがあったと考えられる」と述べた。

 会場ではこのほか、垣ノ島遺跡から出土し、先日、市の指定文化財に登録された「足形付土版」などの展示も行われた。

提供 - 函館新聞社

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