半世紀前の昆虫標本 市立函館博物館で展示
update 2014/10/6 10:14
市立函館博物館(青柳町、函館公園内)で開催中の新収蔵資料展(11月3日まで)で、函館青柳小学校が寄贈した1963年前後に市内近郊で採集した昆虫の標本が展示されている。制作者は当時、同校に通っていた西川正明さん(61)=神奈川県海老名市在住=で、昆虫好きだった少年はアマチュアの甲虫研究家として活動している。西川さんは「世界には100年以上前の標本もあるので50年程度ではまだまだ。ただ、よく取っておいてくれたなあと、うれしい思いはあります」と話している。
西川さんが4年生の時に理科に関係するコンクールで入賞した標本で、担任教諭に依頼され同校に譲った。同校は旧谷地頭小学校と統合した1990年度に両校の保管資料などを集めた展示室を設置し、昨年度の耐震改修工事で校舎の一部を解体するまで児童らの目に触れる機会があった。西川さんは同校に通っていためいから、5年ほど前に保管されていることを知ったという。
標本は昆虫類計97点と貝類計42点。昆虫は一部、本州産の甲虫類などが含まれるが、チョウやテントウムシ、セミなどの大半は、62年5〜8月に函館山、赤川水源地、椴法華地区など市内近郊で採集したもの。木箱に並べられ、採集場所、日付などが書かれたラベルが丁寧に付けられている。
同館の佐藤理夫学芸担当主査は「色が抜けてしまい保存状態はあまり良くないが、採集した日付けや場所がはっきりしているので、地域の昆虫の生息状況を知ることのできる資料として価値が高い」と話す。
西川さんは函館西高卒業後、進学のために函館を離れた。79年ごろから昆虫研究を本格的に始め、現在は、世界中のシデムシの分類に取り組んでいるという。「内気な性格の少年だったが、自然好きの父が、いろいろなところに連れ出してくれた。仁山では父と一緒にたくさんのクワガタムシを捕ったり、高校時代の先生には生物の分類について教わった。帰省した時には博物館を訪れたい」と話していた。
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。