スルメイカ不漁続く…水揚げ量 前年の4割

update 2014/9/19 09:54


 函館近海のスルメイカ漁の不漁が続いている。6〜8月の累計水揚げ量(釣り漁業)は前年同期の4割にとどまり、9月に入っても漁獲が安定しない。道東の釧路や羅臼沖でもここ数年続いた豊漁にはなっておらず、道沿岸のイカの分布状況が分からなくなっている。

 函館港近海釣りイカ(冷凍船、トラック便除く)の水揚げ量は、6〜8月の累計で前年比40%、過去10カ年平均(2004〜13年)の3分の1以下。9月に入っても17日現在40トンと低迷、不振だった昨年9月のトータル(127トン)、過去10カ年平均の9月分(212トン)と比べても大きく下回るペースだ。

 漁期前半(6〜8月)は、特に太平洋側を北上する群れの漁場形成がうまくいかなかった。そこに8〜9月に起こる夏枯れ≠フ長期化も加わったことが不漁の要因とみられる。比較的水温の低い道東ではここ数年、豊漁が続いていたが、今年はさほど多くないため「イカがどこにいったのか分からない」(道総研函館水試)。

 函館市中島廉売内の紺地鮮魚(紺地慶一社長)は「漁模様が安定しない。店頭では、いけすイカが17日は1キロあたり(3〜5匹)1500円、18日は数量が少なく同2000円」という。函館市漁協(橘忠克組合長)も「漁模様が上向いてこないので、秋イカ(道東からの南下群)に期待するしかない。燃油の高止まりもあり、漁業者は困っている」と漏らす。

 同水試の澤村正幸研究主査は「南下群が、いずれ津軽海峡へやって来て漁獲が上向く可能性はあるが、漁期前半の不漁を挽回できるかは分からない」としている。

提供 - 函館新聞社

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