カーシェア実証実験開始 1人乗り小型EV活用

update 2014/9/9 10:10


 日本ユニシス(東京都江東区)など4社は8日、函館市内で小型電気自動車(EV)を活用した「カーシェアローミングサービス」の実証実験を開始した。会員同士で自動車を共同利用するカーシェアリングは近年、大都市圏を中心に普及が進み、地方都市での事業展開の可能性を探る取り組み。1人乗りの小型EVを5台用意し、本町地区、函館駅前、西部地区の3カ所に貸し出し・返却用ポートを設置。10月からは乗用車タイプのEV2台を導入し、函館駅前と函館空港間での実験を行う。

 実証実験は、同社と、ジョルダン(新宿区)、日産カーレンタルソリューション(神奈川県)、ユビテック(品川区)の共同事業。カーシェア全体のシステムサービスの提供、車両を遠隔管理する車載装置の開発などを担っている。地方都市の小規模事業者による事業展開や事業者間連携、交通システム構築の可能性を探るのが主な目的。環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の採択を受け、昨年度から取り組んでいる。

 函館を選定した理由について、日本ユニシス次世代ビジネス部の鈴木康史さん(39)は「観光名所を回る場合、徒歩での移動は少し大変だが、レンタカーとは別の選択として、乗り捨て型カーシェアにニーズがあるのではないか」と話す。

 使用する1人乗りのミニカー「トヨタ車体コムス」最高時速60`、フル充電で約50`の走行が可能。利用にはホテルネッツ函館(本町26)での会員登録が必要で、登録したICカードで車からキーを取り出すことができる仕組み。使用後は同ホテル、函館駅前、元町観光バス駐車場の3カ所のいずれかに返却する。

 また、五稜郭タワーとJR函館駅にはジョルダンが提供する函館市の大型情報端末「函館インフォメーション」で、通常の公共交通機関などのルート検索に加え、カーシェアの利用を交えた表示も開始した。

 11月29日までの午前10時半から午後4時半まで。10月末までは無料で実施し、11月は有料化して実験を継続する。10月には乗用車タイプのEV「日産リーフ」2台を導入し、函館駅と函館空港間の移動用に貸し出す。問合わせはホテルネッツ函館内事務局(TEL090・7060・1094)へ。

提供 - 函館新聞社

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