工藤市長、事実上の出馬表明

update 2014/8/26 10:11


 函館市の工藤寿樹市長は25日の定例記者会見で、来年4月に行われる市長選での再選出馬に関し「当たり前」と述べ、事実上出馬を認めた。現段階では工藤市長以外に出馬に向けた動きがなく、対立候補が現れるかどうかが焦点となっている。

 報道陣から市長選について問われた同市長は「特別まだ何も考えていないし、明言もしていないが、(2選出馬は)当たり前と言えば当たり前だし、自然体。1期目で何もなく、黙って辞めるというのも…」と述べるとともに、後援会が美原2に事務所を確保して10月から開設することを明らかにし、「私自身は(後援会に)任せている」とした。

 同市長は年内にも正式表明する見通し。再選出馬に向けて着々と準備を進めており、事務所確保とともに10月中旬には政治資金パーティーを市内のホテルで開く予定。来年度に向けても「子育て支援や少子化対策に、重点的に予算を配分したい」と述べるなど、意欲を示している。

 2011年に経済再生と財政再建を掲げて初当選した同市長は、職員給与や退職手当の削減、事業仕分けなどを進めて歳出を減らし、本年度予算では18年ぶりに収支均衡予算を実現させるなど財政再建に道筋を付けた。また、北海道新幹線札幌延伸に伴う並行在来線の経営分離問題や新駅の駅名問題、大間原発の無期限凍結を求めて国と電源開発(東京)を相手に建設差し止め訴訟を起こすなど、懸案事項にも積極的に取り組んだ。

 大間差し止めの提訴時に市議会各会派から賛同を得ており、現段階で主だった失政もない点などから、市関係者からは「無投票となる可能性もある」との声が上がる。一方では、原発再稼働を推進する安倍政権とのねじれを懸念する声も出ており、対立候補擁立に向けた動きが出るか注目される。

提供 - 函館新聞社

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