サマーキャンプ構想始動、道内で16年実施に向け
update 2014/8/20 10:13
道内外の教育系のNPO法人関係者が中心となり、全国の子どもたちが夏休みを北海道で過ごすサマーキャンプ(SC)の構想が動き始めた。18、19の両日、関係者が七飯町東大沼で展開中の福島県の子どもたちを対象とした自然体験活動「ふくしまキッズ」を視察。同事業で築いたネットワークやノウハウを土台として、北海道新幹線開業後の2016年夏に「ジャパンキッズ」として開催する考えだ。
酷暑を避け、冷涼な本道で夏休みを過ごすSCは06年から検討されていたが、11年に東日本大震災と福島第1原発事故が発生し、ふくしまキッズがスタート。七飯町東大沼の流山温泉をはじめとして道内外に受け入れ先が生まれ、子どもたちが地域の大人とのかかわりを持つことで自主性や協調性をはぐくむ社会教育活動に成長した。
ただ、ふくしまキッズは来夏で終了するが、副実行委員長で、NPO法人教育支援協会の吉田博彦代表理事(62)は「当初は、地域との交流が子どもたちの成長につながる教育的効果には着目していなかったが、子どもたちを受け入れる側も活動の良さに気がつき、地域の活性化につながる土壌ができた。協力体制は大きい」とする。
SC構想では、新幹線で結ばれる関東以北からの参加を想定。新函館北斗駅から短時間で移動できる流山温泉にゲートウエイとしての役割を持たせ、短期間から、中長期の滞在にも対応する。新千歳空港を玄関口にして、道内各地の受け入れ先との関係を生かしたコースも検討。これまでの支援活動とは違い、事業の採算性も考慮し、本州と道内に事務局機能を設置する考え。いずれは、中国や韓国から参加を募り「アジアキッズ」としての展開も見据えている。
18日には自民党の喜多龍一道議や宮内孝渡島総合振興局長、東日本大震災復興支援財団関係者らが流山温泉を訪れ、NPO関係者と事業構想について意見を交わした。教育社会学に詳しい千葉敬愛短期大学の明石要一学長(66)は「自然体験活動は自己表現の場。北海道の持つオープンな文化に触れることは、グローバルな体験にもつながる」と話していた。
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