函館市合併建設計画 昨年度は260億円執行

update 2014/8/18 10:08


 函館市が旧渡島東部4町村との合併に伴って策定した合併建設計画に基づく、昨年度の執行額は260億円となった。前年度から50%、約87億円増えており、4地域向けのインフラ整備に加え、函館アリーナや函館国際水産・海洋総合研究センターの整備といった大型事業に相次いで着手したことが要因となっている。

 建設計画は04年12月の市と旧4町村との合併に伴って策定し、05〜14年度までの10年間の地域別事業計画の総額は2921億3000万円。これまで恵山コミュニティセンターの新築や消防庁舎の建設などに取り組んでおり、9年間の合計執行額は約1940億円で、執行率は66・4%(本紙調べ)に上っている。

 市は7月末から順次各地域で開いている地域審議会で、昨年度実績を公表。当初予算額(265億3031万円)に対する執行額は260億6257万円(執行率98・2%)。このうち合併4地域のみで使われたのは前年度比2・8%増の7億7679万円。南茅部公民館(現・南茅部総合センター)の耐震改修やバリアフリー化をはじめ、アワビの種苗放流や治山事業、地域福祉バスの運行経費などに充てられた。

 一方、旧市域では同77・9%増の165億2119万円と大幅な伸び。同センターやアリーナのほか、函館フットボールパークの整備、市立函館病院で心疾患患者の増加に対応するシネアンギオ棟の整備などが影響している。

 建設計画の策定当時に見込んでいた水族館など、社会情勢の変化に応じて実施を見送った事業もある。このため市企画部は「執行率との単純比較はできない」とした上で「年度ごとに優先順位を設けて柔軟に取り組む中で、4地域のインフラ整備は一定程度進展している」(計画調整課)としている。

 同計画は合併特例債の発行期限延長に伴い、19年度まで5年間延長する方針で、市は9月の定例市議会に関連議案を提案する。

提供 - 函館新聞社

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