平和への祈り 道南でも

update 2014/8/16 10:27


 小中高生の科学や自然への関心を高めることを目的にした「科学の芽コンクール」(筑波大主催)の受賞作品をまとめた本がこのほど刊行され、函館北日吉小学校6年の中村一雄君(12)の研究内容が掲載された。2年前に同コンクール最優秀賞を受賞した「アサガオの不思議な芽」と題した研究が紹介されている。

 69回目の終戦記念日の15日、函館市や七飯町では戦没者を弔い、恒久平和を祈るイベントが開かれた。

 ○…函館ユネスコ協会(土谷二朗会長)は、本願寺派函館別院(東川町)で「平和の鐘を鳴らそう」事業を行った。市民ら60人が平和への祈りを込めて鐘を突いた。

 今年で12回目。同別院のほか、高龍寺や称名寺など市内10カ所の寺院や教会も協力。一般市民が参加できるのは同別院だけ。

 土谷会長が「戦争は人の心の中から生まれるので、心に平和のとりでをつくろうとユネスコ憲章の中にある。鐘をつくことで、戦争の悲惨さを後世に伝えたい」とあいさつ。

 参加者が順番に鐘を突き、函館桔梗小4年の戸来涼二君(9)は「戦争が終わって、みんな平和に暮らせるようにと祈った」と話した。(山崎大和)

 ○…トラピスチヌ修道院(上湯川町)では「世界平和のための祈りの集い」が開かれ、参加した市民らが賛美歌を歌った。

 厳かな雰囲気の中、約50人の修道女が詩編を唱和。共同祈願で「世界各地で続く攻撃と報復の連鎖を断ち切るために、武力ではなく、対話によって和解と許しの道へと進むことができますように」と祈った。

 最後に、修道女がロープを引いて「平和の鐘」を鳴らし、参加者は黙とうをささげた。

 初めて参加した千葉県在住の会社役員、住谷由美子(53)さんは「いつも思っていることを何か形にしたいと思い、参加した。世界が平和であるようにと願った」と話していた。(平尾美陽子)

 ○…函館市連合遺族会(木村勝英会長)は、函館護国神社(真崎不二彦宮司)で、戦没者追悼平和祈願式を開いた。約50人が参列し、戦没者の霊を慰めた。

 終戦記念日に合わせて毎年行っており、真崎宮司が祝詞を奉上し、参列者は戦没者の冥福を祈った。

 木村会長が「8月15日は遺族会にとっては忘れられない日。悲しみの歴史を繰り返さないよう決意を新たにし、平和で希望に満ちた社会の増進に努力を重ねることを誓う」と追悼の辞を述べた。

 参列者が玉串をささげ、夫の兄が戦死した湯川町の無職、木戸巻子さん(75)は「遺族の高齢化が進む中でも式に多くの参列者が来ていたことは、戦争を風化させないためにも素晴らしい」と話した。(能代俊貴)

 ○…七飯町では、七重小グラウンドにある平和祈念之碑前で、平和祈念祭(町主催)が行われた。約100人が参列し、戦没者に黙とうをささげ、一層の平和を願った。

 中宮安一町長は「戦争の教訓を風化させず、未来に正しく引き継いでいかなければならない」と述べた。冨原亮道議や七飯町遺族会の竹田義蔵会長ら来賓も出席した。

 6日に広島市で行われた平和祈念式典に参加した町平和大使の中学生6人も参列。「核兵器の恐ろしさを世界の人々に訴え、過ちを繰り返さないことを誓います」と宣言した。

 大中山中学校3年の鈴木里菜さん(14)は「広島で学んだ戦争の悲惨さと平和の大切さを多くの人に伝えたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社

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