函館市の大間訴訟で全国から視察相次ぐ
update 2014/8/9 10:18
函館市が国と電源開発を相手に起こしている大間原発(青森県大間町)建設差し止め訴訟に関し、原発周辺に位置する地方自治体の議員が函館市役所を視察に訪れるケースが相次いでいる。函館市が提訴に至った経緯や、市議会が全会一致で提訴を可決した過程などを、熱心に聞く姿が目立つ。
市総務部によると、市への視察は5月上旬に鳥取県議5人が訪れたのが最初。島根県との県境を挟んで中国電力島根原発(松江市)の30キロ圏内に県内の一部が含まれるため、工藤寿樹市長らと意見交換した。
その後も、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の30キロ圏内にある同県袋井市や、福島第一原発の50キロ圏内に一部が入る同県須賀川市など議会の会派単位で訪れており、7月までに5件の視察があった。同部の三原克幸原発担当参事は「再稼働に対して意見が言えなかったり、立地自治体との格差が生じていたりと、原発に対する不安を抱えた中での視察ではないか」としている。
8日には、浜岡原発から40キロ離れている静岡県浜松市の市議2人が函館を訪れた。三原参事が対応し、訴訟に至る経緯を説明しながら「反原発・脱原発ではないことを明確にし、大間に対象を絞って無期限凍結を訴えることで議員側も賛成できた」としたほか、7月から始まっている裁判の状況などを伝えた。
視察した浜松市議会の北島定議員(66)と小黒啓子議員(61)は「原告適格など難しい問題もある中で、そこまでして住民の生命や財産を守ろうという覚悟に感激した。議員それぞれの立場がある中、全会一致で可決したことに驚いている」と話していた。
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