マコンブ 種苗生産工程改良へ 函館水試3カ年計画
update 2014/8/9 10:17
道総研函館水試(金森浩一場長)は本年度から3カ年計画で、マコンブ養殖に欠かせない種苗生産工程の基礎研究(採苗技術改良試験)に乗り出した。種苗生産は40年以上変わらぬ技術が受け継がれてきたが、海の環境変化に対応した技術改良が求められている。安定生産できるような新しいマニュアル作りを目指す。
函館市からの委託を受け、事業費は3カ年で計450万円。同水試は本年度からコンブ研究を強化、1人増員し3人体制となったことから、種苗生産の研究開発に着手した。
促成マコンブの養殖技術は、1960年代に水産庁北海道区水産研究所が開発し、函館市南茅部地区で本格的な生産が始まった。
作業工程は人工種苗生産、種苗糸の仮養殖、本養成を経て収穫される。種苗生産は施設内で行われるが、種苗が順調に育たない場合があり、苦労することも多い。
研究では、天然マコンブ母藻の成熟状況を把握するとともに、人為的に成熟をコントロールする技術開発を行う。現場では、2012年の夏から秋にかけて発生した異常高水温が原因とみられる母藻の成熟遅れが問題化したため、成熟を促進する技術を開発する。成熟遅れは本養成の遅れにつながると指摘されている。
また、マコンブの種苗保存や増殖技術の開発にも取り組む。研究成果を現場に普及し、海洋環境の変化に対応した安定した養殖マコンブ生産を進めたい考え。
赤池章一研究主幹は「種苗生産現場で起きている問題点を把握、整理し、改善策を検討したい」としている。
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