垣ノ島遺跡 盛土遺構良好状態で現存
update 2014/8/8 10:15
函館市教委は8日、南茅部地区の国史跡、垣ノ島遺跡(臼尻町)の本年度発掘調査について公表した。国内最大級とされる盛土遺構について、縄文時代の盛り土がほぼ壊れることなく現存していることが分かり、遺構の幅が現段階で約160メートルに及ぶことなどを明らかにした。
同日開かれた、垣ノ島遺跡調査検討委員会(会長・菊池徹夫早稲田大名誉教授)で示した。
市は同遺跡の将来的な整備に向けて、2012〜13年度の2カ年で土地を公有化。昨年度から遺跡の性質を把握するため、発掘調査を行っている。
本年度は盛土遺構の範囲特定に向けて、6月から遺構と周辺との境目の部分など8カ所で溝を掘り、地質を確認。その結果、駒ケ岳の2度の噴火などで降った火山灰によって遺構が覆われ、縄文期の状態が良好な状態で残っていることが分かった。
また、これまでに実施した測量調査の結果も公表し、遺構の全体面積が約2万平方メートル、長さ約160メートルに及ぶとした。市教委は縄文中期末(約4200年前)から後期初頭(約4000年前)にかけての短い期間に、遺構が祭祀(さいし)の場などで使われていたとみている。
市教委によると、遺構の周囲は1929年の駒ケ岳噴火の後に住民が畑を耕し、火山灰が特定の場所に集められていた形跡が残っていたが、大規模なものではなかったという。市縄文文化交流センターの阿部千春館長は「南茅部は漁業のまち。大規模農地を作っていなかったことが、遺構が残る要因になった」と話している。
会合では各委員から遺跡の保存状態を評価する声が相次ぎ、「今後の史跡整備の青写真も考えながら、国と協議を進めてほしい」などの意見が出ていた。
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