箱館奉行所 丸5年
update 2014/7/29 10:13
国の特別史跡・五稜郭跡に復元された箱館奉行所は、29日でオープンから丸5年を迎える。これまで約86万4700人(6月末現在)が来館し、根強い人気を示しているが、来館者は年々減少が続いており、新たな魅力向上策が急務となっている。田原良信館長は「原点に立ち返り、奉行所と五稜郭の歴史性を伝えていくプログラムを作っていきたい」と話している。
箱館奉行所は1864(元治元)年、北方警備の拠点として設置され、旧幕軍降伏から2年後の71(明治4)年に解体された。復元工事は総工費約28億円で、2006年から4年かけて実施。総面積の3分の1に当たる約1000平方bが復元されている。
来館者はオープンした10年度に22万9489人と、当初目標の14万7000人を大きく上回り、11年度も東日本大震災の影響を受けながらも23万7126人と堅調だった。しかし、12年度は18万8729人、昨年度16万5639人と2年続けて減少。本年度は6月末現在で4万3488人が訪れている。
田原館長(61)は市教委で五稜郭の発掘調査や奉行所復元工事に携わり、今年4月に就任。「これまでの5年間は復元の過程を周知することで好評を得ていたが、(来場客の)理解がそこで終わってしまっているのが反省点」と振り返る。
就任以降、幕末から明治にかけての話題を振り返りながら、奉行所がどのような役割を果たしたかを伝える「かわら版」の発行など情報発信を強化している。同館長は「五稜郭と奉行所が一体の存在だと知ってもらいたい。奉行所で何があったかや、なぜ建物が必要だったかなどを紹介するソフト面の開発に力を入れながら、建物の価値観を高め、リピーターを増やしていきたい」と意欲を示している。
29日には5周年を記念し、先着300人にオリジナルポストカードをプレゼントするほか、能の舞が披露される(午後1時半、2時半の2回)。また、8月1日から1カ月間は兵糧庫の特別公開を行う。午前10時から午後3時まで。
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