旧小林写真館8月で再オープン5年、市民に親しまれる場に

update 2014/7/28 10:15


 明治時代に建築された写真館の建物を修復して営業している、函館市大町2の「旧小林写真館」が8月で再オープンから5年を迎える。市内美原で写真館を経営している谷杉アキラさん(46)が、売り上げの全額を建物の維持費に充てながら運営を続け、婚礼写真を撮る場として観光客に人気を集めている。谷杉さんは「市民が記念写真を撮る場として、もっと親しまれる写真館にしていきたい」と話している。

 旧小林写真館は1902(明治35)年、神戸出身の写真師小林健蔵が開業。現存する木造2階建ての建物は大火による類焼後の1907(同40)年に再建したもので、62(同37)年まで営業を続けた。

 その後、空き家状態が続いていたが、市住宅都市施設公社の西部地区空き家再生事業に応募した谷杉さんが「写真館として建てられており、本来の使い方をしたい」と、2009年に入居して予約制での営業を続けている。

 板張りの外壁に縦長の窓という和洋折衷の建築で、ノスタルジックな雰囲気を求める観光客に人気。「撮影を旅行の目的にして訪れてくれる利用者もいる。撮影を通じて函館を好きになってくれるのがやりがい」と谷杉さんは話す。

 ただ、利用者の9割以上が観光客といい、建物の維持に向けて地元からの利用を切望する。「観光客に西部地区を案内する際に、おもてなしの一つとして利用してもらえれば」としている。

 8月1〜5日には開館5周年を記念し、モダンな風合いに仕上げたポートレート写真を1枚5000円(A4判サイズ)で提供する。完全予約制で、期間中の営業時間は午前7時から午後9時まで。問い合わせは同館(TEL090・1386・4840)へ。

提供 - 函館新聞社

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