宮崎さんが函館大火研究、被災者らに聞き取り

update 2014/7/15 10:13


 函館大火(1934年3月21日)を研究している、慶応義塾大学名誉教授の宮崎揚弘(あきひろ)さん(74)=神奈川県在住=が14日に来函し、被災者らに聞き取り調査を行った。

 宮崎さんはもともとフランスの都市災害を専門的に研究。15年ほど前、日本の都市災害にも研究範囲を広げ、函館大火を対象に選んだ。

 2年ほど前、大火の話を聞く予定だった義弟の母(北斗市)が亡くなったことがきっかけで、本格的に調査を始めた。これまで2〜3カ月に1度、函館や青森の下北半島を訪れて体験者75人から当時の様子を聞き取ったほか、知内や青森県大間など遠方の目撃者30人から証言を得た。体験者を見つけるまで道行く人に根気強く声を掛け、家に招かれたこともあったという。

 この日は、小学校入学間際で7歳だった深堀町の高橋順一さん(86)宅を訪れ、大火の状況や思いを丁寧に聞き取った。高橋さんは「火の粉がボタボタと降り注ぐ中、祖母の手を握り、ランドセルを背負いながら逃げた」と思い返した。宮崎さんについて「遠くから何度も足を運んで調べていると聞いて驚いた。函館大火を熱心に研究し、世の中に伝えてもらって感謝している」と話した。

 宮崎さんは「当時の函館は危機管理がなっていなかった」と指摘。これまで研究してきた17世紀のフランス・トゥールズ市に比べ、函館は行政機関と市民の情報共有がなく、住民を逃がす仕組みが整っていなかったと分析した。「これまでの研究資料を2〜3年掛けてまとめ、函館大火の本を出版する予定。80年前のことなので、時間との戦い。情報提供してくれる人がいれば、ぜひ連絡を」と呼び掛けている。宮崎さんの連絡先は(TEL046・275・8768)。

提供 - 函館新聞社

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