縄文遺跡群 世界遺産推薦見送り
update 2014/7/11 10:10
【東京】文化審議会の世界文化遺産特別委員会は10日、2016年度の登録を目指す世界文化遺産候補として「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本県)を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦することを決定した。道南3遺跡を含む「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の推薦は2年連続で見送られ、道などが目指していた16年度の世界遺産登録は不可能となった。
縄文遺跡群は大船遺跡、垣ノ島遺跡(以上函館市)、鷲ノ木遺跡(森町)など18遺跡で構成。09年1月にユネスコ世界遺産センターの「暫定リスト」に登載され、昨年文化庁に推薦書案を提出している。委員会は非公開で行われ、同庁は縄文遺跡群など4件に関し「準備が整っていないと判断された」としている。ユネスコへは毎年1件ずつ推薦されている。
本道と北東北3県、関係自治体でつくる縄文遺跡群登録推進本部の本部長を務める三村申吾青森県知事は「今後は国内外の専門家の助言や文化庁の指導を受けながら、早期にユネスコへ推薦していただけるよう全力で取り組む」、副本部長の高橋はるみ知事は「次回以降の継続審議となり、大変残念。引き続き北東北3県や関係市町と連携し、早期の推薦を目指して取り組みを進めたい」と、それぞれコメントした。
また、函館市の山本真也教育長は「我が国として1年につき1件の推薦枠しかない事情もあるが、縄文遺跡群は必ず世界遺産に正式登録されるものと確信している」と話している。
文化庁は昨年度、長崎教会群の推薦を決めたものの、政府は最終的に、内閣官房の有識者会議が選んだ「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」をユネスコに推薦している。長崎教会群はこの経緯とともに、他の候補地に比べて準備が進んでいたことから、本年度の推薦が有力視されていた。
縄文遺跡群に対しては東日本全体に広がる縄文遺跡の中で、北海道と北東北に限定することを問題視する意見が出るなど、根本的な課題が解決されていないとの指摘がある。市縄文文化交流センターの阿部千春館長は「次に向けて、なぜ4道県なのかという点をしっかりと示していく必要がある」と話している。
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