債務整理 生活改善進む
update 2014/7/10 10:05
函館市が設置している「くらし安心課」に多重債務の相談に訪れ、弁護士や司法書士に対応を引き継いだ相談者の52%が、相談から1年後に市税や国民健康保険料などの納付を開始していることが分かった。債務整理を済ませた相談者が、徐々に生活改善を進めている状況がうかがえ、同課は「一定の成果があった」としている。
同課のまとめによると、2012年度に相談に訪れた283人のうち、弁護士や司法書士に対応を引き継いだのは63人。自己破産のほか、裁判所を通さずに債権者と弁護士の間で返済方法を和解する「任意整理」などの方法で解決を図っている。債務整理には一般的に3〜6カ月程度かかるため、同課は相談者の生活改善の見込みが立っているかどうか、引き継ぎから1年後をめどに聞き取り調査を行っている。
12年度に専門家に引き継いだ63人のうち、市税や国民健康保険料、介護保険料、保育料といった公債権(=自己破産してもなくならない債権)を滞納していたのは31人、約1022万円分あったが、昨年度は16人が支払いを始め、265万円を納付している。
11年度から12年度にかけては25人が344万円を納付しており、金額ベースでは減少したが、納付額の割合では前年度を上回った。また、7人が引き継ぎ後1年以内に生活保護を受給した。
同課は公債権の納付について「あくまで副産物的な効果」とした上で、相談者の約4割が低収入が原因の借金に悩んだ末に訪れていることから「債務を整理しても、生活改善が図られなければ根本の問題は解決しない。原因を見極め、必要な公的支援が入るようにアドバイスをしていきたい」としている。
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