新島襄が密出国150年、同志社が碑前祭

update 2014/6/15 10:26


 新島襄(1843〜1890年)が、函館から米国へ密出国して150年の節目を記念し、学校法人同志社(京都)は14日、函館市大町の「海外渡航の地」碑前で碑前祭を開いた。原点の地に全国から卒業生ら130人が集まり、新島の志を胸に刻み、継承への決意を新たにした。

 大谷實総長が「新島の志を継承、進化させるためにこん身の努力を続ける」とあいさつ。来賓の片岡格副市長も「さらに同志社との交流が深まってほしい」と期待を込めた。大谷総長、同志社の水谷誠理事長、片岡副市長が碑に献花し功績をたたえた。

 その後、FMいるか2階のカフェ・ペルラに移動し、講演会を開催。村田晃嗣同志社大学長が「新島の志と同志社の今後」と題し、少子化や猛烈なグローバル競争に直面する大学の生き残り策について話した。村田学長は同志社のアイデンティティーとして京都に位置し、創立者の教育理念が明確であり、キリスト教を基盤にしている点を挙げ「オール同志社で21世紀に生き残るグローバル化教育を進めていきたい」と強調した。

 交流レセプションは函館山ロープウェイ山頂レストランで開き、同志社側から函館市に、新島が函館港から出国した米船ベルリン号の模型が贈られた。

 函館市が誘致を目指す医学部(医科大学)設置について、大谷総長は函館新聞の取材に「チャンスがあれば、いつでもやりたいという気持ちに変わりはない」と強調。ただ、東北での設置申請を見送ったことを踏まえ、「当分の間は(国の認可が)見込めないだろう。学内の医学教育を展望する部会で情報収集を進めていく」と述べるにとどめた。

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