水産資源 絶やさない…函水高校生、育てた稚ウニ放流

update 2014/6/10 10:07


 函館水産高校(三ッ石茂之校長)海洋技術科生産コースの3年生18人は9日、函館山裏付近の海にキタムラサキウニの稚ウニ3200個を放流した。生徒たちは豊かな水産資源に恵まれることを願い、稚ウニを丁寧に放った。

 昨年に続き2回目。授業の一環で、昨年11月から育成を開始。人工授精から始まり、同校実習棟で約20日間、平田大矢君(18)、佐藤俊輝君(19)、杉本智哉君(18)の3人が中心となって稚ウニになるまで管理。適切な温度管理や朝・夕の餌やり、水替えなど手間暇かけて育ててきた。

 同12月には、成長した稚ウニを同校海洋舟艇格納庫の大型水槽に移し飼育。放流日には、平均30_超に成長した。杉本君は「成長が止まったり、弱ったりしたときには心配だったが、ここまで大きくなってくれて本当にうれしい」。

 舟艇格納庫から稚ウニを回収し、船で放流場所に到着すると、生徒2人が海へ放流。稚ウニの扱いは函館市漁協を通じ地元の漁業者に提供する。

 平田君は「少しでも函館の海にウニが増えたら、苦労も報われる」と話し、小笠原涼太君(17)も「今回の実習を通じ、多くの体験ができた。今は小さいウニが、いつか出荷されるのが楽しみ」と笑顔。同科の楠木茂広主任(54)は「地元に還元できる実習。生徒たちが、生き物の大切さや養殖の重要性を知るきっかけになってほしい」と話していた。

提供 - 函館新聞社

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