イカ漁 出足低調

update 2014/6/6 10:11


 道南スルメイカ漁は1日の解禁以降、漁獲がまだ本格化していない。松前沖にまとまった群れが来遊していないためで、初水揚げは2011年以来の記録的な不漁となった。低調の理由について、研究者は低水温によるイカの北上の遅れや近年続く漁期が後ろへとずれ込む傾向が影響しているのではないか指摘する。  函館市農林水産部によると、市水産物地方卸売市場でのスルメイカ取扱量は2日が130`、3日が725`、4日が4315`となり、上向いてきているが、安定していない。

 道総研函館水試(金森浩一場長)の澤村正幸研究主査は「低水温が一つの要因と考えられる。また、近年見られる漁期のずれ込みも影響しているのではないか」と指摘。気象庁のデータによると、解禁前の道南日本海での表面水温が平年より1度ほど低い状態が続いたという。3日現在では、イカ来遊の下限とされる12度の水温帯が石狩海域まで広がっている。

 澤村さんは「日本海全体では、ある程度の資源はいると考えられるので、このまま漁期が終わることはないだろう。例年だと6月下旬に日本海側の漁獲ピークを迎え、7月以降太平洋側の群れも北上するので、今後漁獲は上向くと思われる。ただ、豊漁になるかどうかは漁場形成の良否が関わってくる」と話す。

 一方、水温が急激に上昇して群れの通過が早まり、漁場形成時期が短くならないか注意が必要としている。

提供 - 函館新聞社

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