函館駅前整備、菓子工場 事業中止
update 2014/5/30 10:06
菓子製造工場を核にしたJR函館駅前市有地の整備事業計画で、函館市とJR北海道、事業者の洋菓子製造販売のペシェ・ミニョンは29日、事業中止の確認書を交わした。当初計画規模では建設工事費で3億円の増加が見込まれ、全体の収支計画の見通しが立たなくなったため。市役所で開いた会見で、市企画部の谷口諭部長は「新幹線開業を見据え、中心市街地に新たなにぎわいを生み、魅力ある空間をつくる事業で、市民も期待していた中でこのような結果となり残念」と述べた。
会見には谷口部長、JRの平川敏彦開発事業本部長、ペシェ社の中沢美樹社長が出席した。
市は2012年、市とJR所有の約9900平方bの土地を活用した事業計画を公募。ペシェ社のみが応募し、13年3月に事業協定を締結した。計画では、工事期間1年間を含む26年間土地を借り、スイーツ製造を見学できる3階建ての菓子工場、飲食店、物販店10店が入居するテナント棟を整備。総事業費は11億5400万円を予定した。
今年5月の着工に向け、準備を進めたが、震災復興需要などを背景に建設関連費が上昇しており、昨年秋ごろから事業規模の縮小を検討。テナント数を4店舗まで減らし、延べ床面積も4分の3程度として建設費を当初事業費程度に抑えたが、テナント賃料の収入減などの収支計画が悪化。土地の契約終了後の原状回復を含めた費用回収が困難となった。
中沢社長は「大変残念。多少無理なところがあってもという思いもあったが、各方面に迷惑を掛けるのではないかと考えた」と中止の判断理由を明かした。
今後の市有地活用について谷口部長は新幹線開業時期にはこだわらず、経済や建設の専門家、開発事業者らから意見を聞きながら条件整備を含めて再検討するとし、「状況を把握して協議していく」とした。平川本部長は「駅周辺の活性化は、函館市と取り組んできた。今後も単独では進めず、市と一緒に取り組む」と話した。
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