イカ漁 先行き見えず、燃油高問題などで

update 2014/5/29 10:16


 道南スルメイカ漁解禁が目前となり、函館のイカ釣り漁業者は依然として燃油高問題に対する不安が払拭(ふっしょく)されていない。北上群の遅れを指摘する調査結果もあり、漁模様も相まって先行きが見通せないのが現実だ。

 漁業者は28日、イカ釣り機に釣り針を取り付ける作業を進めた。「漁よりも漁場(松前沖)までの往復に燃料を使う。出てみて商売にならないのなら、休むことも考えなければ」。山本光夫さん(65)は厳しい表情を見せる。

 函館市漁協(橘忠克組合長)の組合員が購入するA重油価格は1リットル当たり98・2円(税別)と高水準。山本さんは「燃油代は当面下がらないだろう。前浜でイカが漁獲できる8月ごろまで松前沖に向かうことになるのではないか」。

 道南スルメイカはここ2年不漁続きだったが、単価の上昇でカバーすることにより、漁業者は何とか食いつないできた。

 道総研函館水試(金森浩一場長)が今月18〜23日に松前沖〜秋田県沖で行った調査では、はしりの漁獲は近年では低い水準にとどまると予想。水産庁によると、日本海全体の資源量は前年並みの見通しだが、楽観はできない。

 佐藤豊次さん(64)は「ここ数日気温が上がって水温も上がるので、イカが来遊することを期待したい」と話している。

提供 - 函館新聞社

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