市長「月内にも結論」、菓子工場計画難航で

update 2014/5/24 10:10


 函館市の工藤寿樹市長は23日、定例会見を開いた。建設コストの高騰によるJR函館駅前の菓子工場やホテル建設計画の難航を受け、工藤市長は「官民問わず事業に影響が出ている。建設費が上がったことによる事業中断は残念。復興や東京五輪の整備でしばらくこの状況が続くとすれば、さらに影響が出ると懸念している」と述べた。

 工藤市長は駅前の市有地で菓子工場の整備計画を進めるペシェ・ミニョン(函館市湯浜町)の中沢美樹社長と21日に面会し、現状の報告を受けた。「事業費のオーバーは体力的に厳しいという話で、今月中には一定の結論が出るだろう」とした。仮に計画を断念した場合、「中途半端なもので妥協し、新幹線開業までに何かをつくるといった切羽詰まった気持ちはない。駅前・大門地区の集客、活性化につながらなくてはならない」と述べ、市有地の活用方法は白紙とした。

 一方、JR北海道のホテル建設計画凍結にも言及。「新幹線開業後、現函館駅周辺が寂れるのではないかと心配があった中で、ホテル計画はJRが現駅を見捨てていないという安心感があった」とし、「鉄道事業の安全対策が最優先でしょうから、現状況ではやむを得ないと理解している」とした。

 菓子工場、ホテル建設以外にも、駅前・大門地区では中心市街地活性化基本計画に基づき、旧WAKOビルの建て替え、駅前通の整備などの事業計画がある。工藤市長は「駅前・大門地区に人が集まる要素ができれば、民間投資を誘発できると考え、その兆しもあった。建設費高騰にぶつかり、民間も慎重になってきている。市が姿勢を見せることで、民間が追随するよう努力していきたい」と述べた。

提供 - 函館新聞社

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