市立函館病院改修工事 入札不調 市、来月再実施へ
update 2014/5/20 09:59
道南ドクターヘリの導入に伴う市立函館病院の改修工事の入札が中止となった問題で、函館市病院局は19日の市議会民生常任委員会(日角邦夫委員長)で、当初予定価格より1億9000万円程度の不足額が生じることを明らかにした。資材高騰や労務単価の高騰に加えて、設計を受注した業者によるミスが重なったため。27日の臨時市議会に補正予算案を提出し、6月に再入札を実施する考え。
入札中止となった工事は、屋上ヘリポートからの患者搬送用のエレベーター増設をはじめ、高度治療室(HCU)の移設に伴う西病棟の改修などの建築主体工事。当初入札予定価格は3億7265万円(税込み)で、4月1日の入札には、共同企業体(JV)1組が参加を表明していたが「予定価格に収まらない」として辞退したため、関連の電気設備、機械設備工事とともに中止となった。
同局は入札中止後に設計を担当した業者に見直しを請求。その結果、足場の工法の違いや、北海道の基準単価と市場価格の乖離(かいり)があった。さらに免震装置改修工事で、鉄筋や型枠、コンクリートの数量が正しく設計書に反映されていないことも判明。計1億9000万円程度の不足が生じるとしている。
免震装置改修工事の設計書のミスは、JV側の指摘で把握。渡辺史郎管理部長は「設計業者の瑕疵(かし)は軽微とは考えられない」とし、病院局競争入札の要綱に基づき、この設計業者の指名停止処分を検討している。さらに、再発防止に向けた対策を講じ、関係職員も処分する考え。
臨時会での補正予算可決後、6月に再入札を実施するが、当初予定より全体スケジュールに2カ月半程度の遅れが生じている。渡辺部長は「エレベーター設置工事を急いで進める工程を組み、ドクターヘリは早ければ2月中にも運航できるようにしたい。(再入札が不調となれば)本年度内の運航開始に差し障りが出る」とした。吉川修身局長は「入札不調となったことをおわび申し上げる」と陳謝した。
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