「大間は道全体の問題」 工藤市長、知事と会談
update 2014/5/16 09:59
【札幌】函館市の工藤寿樹市長は15日、建設差し止めを求めて提訴した大間原発(青森県大間町)問題に関し、高橋はるみ知事と会談した。工藤市長は「大間原発は道南だけでなく、道全体の問題でもある」として提訴への理解を求めた。知事は「国が説明責任を果たすよう、道議会とも連携して取り組んでいく」としたものの、同原発の建設中止を求めていく旨の発言はなかった。
大間原発問題に関し、市長と知事が直接会談するのは初めて。改行 知事は「函館や道南の住民の不安は理解できる。提訴直後に函館市から報告を受け、私自身も動かなければと思った」と切り出し、13日に経済産業省を訪れ、同原発のエネルギー政策上の必要性や安全性について、国が説明するよう求める要望書を手渡したと報告した。電源開発に対しては、今秋にも行うとみられる設置変更許可申請に関し、拙速な申請を差し控えるよう文書で要望したことを伝えた。
その上で、道議会が3月に同原発の厳正な審査と説明責任を求める決議を可決していることから、知事は「市長とわたしが連携し、道議会とも連携しながら国や事業者にしっかり働きかけたい」と述べた。
一方、市長は「国策だとして、上から強圧的に押しつけられることは、地域や市民を守る立場としては到底納得できない」と述べ、提訴に至ったこれまでの経緯や理由を説明。
さらに「裁判はUPZ(緊急防護準備区域)の範囲でなければ難しい。函館が代表としてやっているつもり。渡島・桧山の全市町も応援してくれている」と述べるとともに、仮に事故が起きた場合、「函館だけでなく、日本海から太平洋側に風が吹くと胆振、日高や十勝まで(放射能が)行く。北海道全体の問題でもあると思う」と強調し、改めて理解を求めた。
市は同原発の建設差し止めと原子炉設置許可の無効確認を求め、4月3日に東京地裁に提訴。初弁論は7月3日に開かれ、市長が出廷して意見陳述を行う予定としている。
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