道南14市町で若年女性半減…日本創成会議分科会2040年の人口試算
update 2014/5/10 10:08
民間有識者らでつくる「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会(座長・増田寛也元総務相)は、独自推計した2040年時点での全国市区町村別人口を発表した。現在のペースで地方から大都市への人口移動が続く場合、子どもを産む中心的年代である20〜39歳の若年女性が2010年から40年までの30年間で半分以下に減る自治体が全国で896市区町村、道南では18市町中14市町が該当すると試算した。
これらの自治体は、仮に出生率が改善しても人口減少に歯止めがかからない「消滅可能性都市」と定義している。改行 分科会は国立社会保障・人口問題研究所が昨年発表した将来推計人口を基に試算。この中で20〜39歳の女性人口の増減に着目した。この年代の女性が地方から東京などの大都市に流出すると、地方では子どもも増えず、人口減少が止まらないため、最終的に住民サービス提供など自治体機能の維持が難しくなると予測している。
渡島・桧山管内での若年女性の減少率は、奥尻町が86・7%で道内最大。10年の202人から、40年には27人にまで減るとしている。次いで木古内町の86・5%、松前、福島両町が84・4%で、道内上位10市町村の中に4町が入った。
函館市は60・6%で、10年の3万746人から、40年には1万2115人まで減ると推計している。全国の中核市43市中、福島第一原発事故の影響で推計を見送った福島県の2都市(郡山、いわき)を除いて、最も減少率が高かった。改行 逆に、減少率が50%を切ったのは38・6%の北斗市のほか、長万部町(41・8%)、今金町(42・9%)、鹿部町(46・2%)の4市町にとどまった。
分科会は若者が結婚し、子どもを産み育てやすい環境づくりに向けた政策の集中や、東京一極集中の是正などを提言している。
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消滅の可能性を指摘された自治体は試算を厳しく受け止める声が目立つ。
道内最大の減少率とされた奥尻町は「これまでも人口減少、高齢化社会を見据えたまちづくりをしてきたが、一層の取り組みが必要。ピンチをチャンスに変える契機となる問題提起となった」とコメント。木古内町の大野泰副町長は「厳しい数字。子育てしやすい環境づくりなど、定住人口増加に向けた政策を今後も進めていきたい」と強調。本年度から町立小中学校の給食費半額補助や保育料の独自軽減など、育児環境の整備に取り組んでいる。
函館市は「大都市への流出が人口減に拍車をかけている構図が、そのまま当てはまる。国レベルの対策と連動して、少子化対策や雇用の安定など、市独自の細かい施策を考えていく必要がある」(企画部)とした上で、「人口が減っても活力を維持できるよう、北海道新幹線開業を生かした交流人口の拡大に活路を見いだしていきたい」とする。
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