スルメイカ漁解禁まで1カ月 燃油高続き 漁業者不安
update 2014/5/5 10:25
道南近海のスルメイカ漁解禁まで1カ月を切り、漁業者は燃油高の不安を抱えたまま漁期開始を迎えそうだ。価格が下がる要素が見えず、不安感が強い。一方、水産庁が4月末に発表した日本海での来遊見通しは近年(2009〜13年)平均を下回り、前年並みとしている。
函館市漁協(橘忠克組合長)が組合員に販売するA重油価格は1日現在、前月から据え置いて1g当たり98・2円(税別)。依然として高値が続き、松前沖での漁に向けて懸念材料だ。
同漁協は「松前小島付近まで片道5時間。1回の出漁で800〜1000gの燃料を使う。1g100円で換算して8〜10万円になる」と窮状を訴える。
漁業者は現在、船体の汚れを落とし、ペンキを塗り替えるなど整備を進める。佐藤豊次さん(64)は「油代が高いので、漁期前は不安ばかり。漁に出て赤字になっては困る。農業のように、国の手厚い支援があれば」と話す。
今季の日本海での漁模様はどうなるのか。同庁の発表では、5〜7月の来遊量は近年平均を下回り、前年並み。漁期の開始は前年より遅く、近年平均並み。魚体の大きさは前年と近年平均並みと予測している。
道総研函館水試(金森浩一場長)の澤村正幸研究主任は「日本海全体の資源量は、ある程度いると思われる。函館での漁況は漁場形成にかかっている」と指摘。「表面水温が平年より1〜2度高く、このままの状態が続くと、来遊が早まる可能性もある」という。
道南日本海への来遊状況は、同水試が17〜23日に試験調査船「金星丸」で行う調査結果を、漁期開始前に発表する。
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