消費税増税 農漁業にも荒波
update 2014/4/8 10:57
消費税増税により、道南でも水産業や農業への影響が避けられそうにない。燃油や資材価格が高騰する中での3%分上乗せが、経営に重くのしかかるからだ。来年10月には税率10%に引き上げられる方針で、生産者としての対策にも限度があり苦悩している。
消函館漁港(入舟町)には現在、6月から始まる今季のスルメイカ漁を控え、整備に出す前の漁船が係留されている。市漁協(橘忠克組合長)によると、組合員に販売するA重油価格は1日現在、前月より1円上がって1g当たり98・2円(税別)。8%の消費税がかかれば同100円を優に超す。
消燃油高に加え、発泡箱や氷、針などの資材も上がっている。市漁協は「イカ釣り漁業者ほど増税の影響が大きい」と心配する。
消北斗市内でイチゴを作る農家(67)も「生産資材が高騰する中、仕入れにかかる分が全て8%だから大変」と嘆く。ハウスに使うビニールやマルチは定期的に交換が必要で、肥料や果実を詰めるパック、段ボール箱なども購入が欠かせない。「ハウス暖房に使う灯油代は年間100万円もかかって以前の3倍以上に。経費がかさむといっても、イチゴが3倍の値段で売れるわけではない」。10%への引き上げは政府が経済情勢を見極めて判断するが「国のやることだから従うしかないよね…」とため息をつく。
消JA新はこだて(北斗市)の畠山良一組合長は「増税分は、じわじわと響いてくる」と懸念。農家は通常、年末の精算後に手元に残ったお金を貯金するが、昨年末から貯金に回さず、増税後を見据えてトラクターや軽トラックなどの高額品を買う動きが全道のJAで見られたという。畠山組合長は「経費は目に見えてかかってくるが、生産物の値段は日々変動しているので、還元の実感が薄い」と話す。
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