反動減対策 あの手この手 消費税8%で道南小売店

update 2014/4/6 10:11


 消費税率8%がスタートして間もなく1週間。函館・道南の小売店では、増税後の反動減を食い止めようと、対策を始めている店舗もある。ただ、様子見のところも多く、各店は今後の需要喚起に知恵を絞っている。

 ホクレンショップ函館昭和店(昭和1)は「加工食品や日用品などの動きが鈍っている。分かりやすい価格帯の設定や、味など質を追求した商品をお客さまに紹介していきたい」と前向き。かね万むさしや本店(本町31)は「消費を控えるムードが残っており、客足は鈍い。特別な対策を講じているわけではないが、生鮮食品は買いだめできないので、お客が戻ってくるのを待ちたい」という。

 大型店も集客策に力を入れる。テーオーデパート(梁川町10)では、同店2階の喫茶店で価格を据え置いたほか、今後は店内の商品の割引なども検討していく予定。「カード会員限定で優待割引をするなど、対策を講じていく」と同店。

 棒二森屋(若松町17)では、増税前の3月に商品の売り出しを強化、反動減に備えた。現状では、食品の販売は平年通りで、売れ行きが停滞気味の衣料品や化粧品も、夏に向けて通常通りに戻る見通し。

 イトーヨーカドー函館店(美原1)は「価格据え置き」と銘打ち、衣料品や食品など約1700品目の価格を据え置くセールを展開している。

 丸井今井函館店(本町32)では「消費者の動向を見ながら商品の品ぞろえを充実させ、今月は週替わりで旅行グッズや靴などのアイテム特集を考えている」。各階のフロアと催事場の両方でイベントを組み、「豊富なコンテンツをそろえることで、お客さまに興味を持ってほしい」と期待する。

 冷え込みが深刻なのはたばこ店だ。「4月に入ってからの売上げは通常の3分の1」。たばこ販売が売り上げの大部分を占める商店「セラーズいそ」(宮前町)の磯雅晴店長(63)はため息をつく。「少しでも安く」という客のため、比較的安価な手巻きたばこの作り方を実演するなど工夫も凝らすが、客足は鈍い。

 たばこは、2010年に約100円の大幅値上げがあった。今回の値上げ幅は10〜20円ほどだったため、影響を読みづらかったという。

 常連客が3月下旬にカートン単位で購入した在庫≠吸い終えるのを待つしかないのが実情。磯さんは「暖房費や光熱費を考えると、店を閉めていた方がまし」と嘆く。

提供 - 函館新聞社

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