日本海南部と津軽海峡の海水温、例年より低く

update 2014/4/3 10:27


 今年2月以降の日本海南部と津軽海峡の海水温が例年より低かったことが2日、分かった。気象庁のデータによると、水温の平年差はマイナス3〜4度。1〜5月に松前沖で行われるヤリイカ漁が今季、不漁に陥っているのは、ヤリイカ分布の適水温とされる6〜18度に達していないことが原因とみられる。

 同庁のシミュレーションでは、2月下旬の水深50bの水温は日本海南部の沿岸で平年より3度低い4度以下。津軽海峡の北海道側で同4度も低い2〜4度。3月に入ってやや緩んだが、低水温の傾向が続いた。

 道総研函館水試(金森浩一場長)の佐藤政俊研究職員は「日本海南部と津軽海峡では、低水温の原因が異なると考えられる」と指摘。日本海南部(桧山沿岸)では、例年より気温が低かったことに加え、北西風が吹いたことによる沿岸湧昇(表層水が沖に運ばれ、下層から冷たい海水が押し上げられる現象)が発生したことが推測される。

 道総研水産研究本部の観測結果(20b深水温)では、津軽海峡は今年、親潮(寒流)の勢力が強く北海道太平洋側の広範囲で低水温に。その海水の一部が海峡内に流入したため、海峡道側の水温が低下したとみられる。

 青森県産業技術センター水産総合研究所(平内町)によると、1999〜2005年に松前沖でヤリイカが水揚げされた日の水温は6・5〜11・1度(平均8・3度)。4月が漁獲ピーク。青森でも水温が低い状況が続き、1〜2月のヤリイカ漁が振るわず、3月もまとまった量の水揚げがなかったという。

 佐藤さんは「例年通り気温が上昇して対馬暖流が沿岸に沿うようになれば、水温は例年並みまで回復するだろう。順調にいけば、水温的にはヤリイカの来遊が見込める状況になるのではないか」とみる。

提供 - 函館新聞社

前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです