人や物 思い出運ぶ 「江差線」語り合う

update 2014/3/27 09:58


 【江差】5月11日限りで廃線となるJR江差線木古内―江差間について語り合う「語り継ぐ江差線」が26日、町内で行われた。沿線の住民や元駅長らが思い出を紹介した。

 文芸誌・江さし草会と江差学運営委、町教委の主催。江差と上ノ国、木古内の沿線3町のほか、函館市からも江差線に関わりの深い関係者9人が座談会に臨んだ。

 木古内町の元農家川瀬盛美さん(81)は、木古内・吉堀駅から江差の中学・高校に通い「5時半の汽車なので早起きが大変。でも弁当や朝ご飯を用意するおふくろはもっと早くに起きなければならず、一番大変だったと思う」と母親の愛情も懐かしんだ。

 また汽車に乗り遅れそうなときに「『待ってで!』と叫んだら停まってくれて、後ろの客車に乗ることができた」と青春時代を紹介した。

 座談会では、除雪の行き届いた江差線の線路が地域生活を支えた点や子どもたちの遊び場だった―など、「人や物だけではなく思い出も運んでくれた。線路が無くなっても風景や人々の思いは残る」と鉄路の功績を振り返った。

提供 - 函館新聞社

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