寿都の史実1冊に 函館地方気象台職員の山本さん自費出版

update 2014/3/25 10:07


 函館地方気象台職員の山本竜也さん(37)=市内美原3=が、後志管内寿都町の歴史をテーマにした新刊「寿都五十話―ニシン・鉄道・鉱山そして人々の記憶」を自費出版した。完成までかかった歳月は2年近くで、郷土教育や観光ガイドに役立ちそうだ。「函館にいる寿都にゆかりのある人が読んで、町のことを懐かしく感じてもらえたらうれしい」と話している。

 山本さんは寿都測候所に2006年4月から、閉鎖する08年9月まで勤務。寿都在住中は、町の歴史を調べてホームページや雑誌に寄稿していた。函館には12年4月から勤務しており、それ以前に「網走百話」(再版)の校正を手伝った経験や、渡辺一史「北の無人駅から」を読んで面白さにのめり込んだことがきっかけで、函館に来てから寿都を題材に似たような本を書くことを決心した。

 人口約3300人の小さな町では、郷土史を調べた人がおらず、埋もれた史実を掘り起こし、文章にまとめる面白さもあった。

 仕事後や休日を利用して函館市中央図書館のほか、東京、大阪、札幌の公共図書館で、寿都に関わる出版物や新聞などの資料を調べた。寿都にも2週間に1度足を運び、約100人から話を聞いた。最高齢では1912(大正元)年生まれの人にも出会った。

 50話の短編は全て新事実で、町史とは一線を画す。鉄道では、黒松内―寿都間の私鉄寿都鉄道(1920〜72年)を取り上げ、1万株を発行して50株以上を買った株主は51人おり、そのうち28人が函館の人であったと、函館との強い結び付きも記している。

 山本さんは「北海道の歴史に興味がある人に読んでほしい」と呼び掛ける。A5判784nで、1000部製作。価格は2400円(税別)。購入は山本さん(TEL090・5185・5723)へ連絡するか、通販サイト「アマゾン」で。市中央図書館で閲覧できる。

提供 - 函館新聞社

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