函館大火から80年 記憶、教訓心に刻む

update 2014/3/22 10:36


 2166人の命を奪った函館大火から80年がたった21日、函館市消防本部(大坂晴義消防長)は函館市役所前の東雲広路で、烈風下での火災を想定した消防訓練を実施した。函館市大森町の函館大火慰霊堂では、函館仏教会主催の殉難者慰霊法要が執り行われ、犠牲者を悼んだ。

 1934(昭和9)年3月21日に住吉町から出火。強風にあおられた火は瞬く間に広がって延焼。市内の約3分の1となる1万1105棟が焼失した。

 同日の訓練は、犠牲者を忘れず、大火を繰り返さない意識を高めるのと同時に、消防職員、団員の技術向上を図ることが目的。同本部職員、消防団員、地域住民約140人が参加した。

 訓練は東雲町の一般住宅から出火し、強風が吹き荒れ延焼拡大の恐れがある状況を想定。緊迫した雰囲気の中で、同本部付近にいた地域住民を消防団員が誘導して函館市役所側へ避難させた後、発煙筒をたいた小屋などに実際に放水した。

 また、飛び火による延焼防止の訓練として、消防車7台を使用し、上空に向けて一斉放水。約20bの高さまで上がった水の壁をつくり上げた。

 同本部の吉田勇司警防課長は「今回の訓練は速やかだった」と振り返り、市民に向けては「大火を風化させてはならない。今後、空気が乾燥して風も強くなる季節。火の取り扱いには十分に注意してほしい」と呼び掛けている。



 函館大火殉難者81回忌慰霊法要は、函館大火慰霊堂で開かれた。市職員や犠牲者の遺族らが参列し、読経と焼香で犠牲者の冥福を祈った。

 函館大火は死者2166人、行方不明者662人。被害世帯2万2667世帯という甚大な被害をもたらした。

 法要では市仏教会の僧侶が読経する中、参列者が次々と焼香し、犠牲者への思いを胸に手合わせた。

 市内在住の小川さとみさん(54)は「大火で母親の妹が0歳で亡くなった。10年ほど前から母親の代わりに毎年参列している。亡くなった人たちの冥福をこれからも祈りたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社

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