函館大火から80年、高橋さん「忘れない」
update 2014/3/20 10:00
当時の函館市内の3分の1を焼き尽くした、1934(昭和9)年3月21日発生の函館大火から今年で80年。死者2166人、行方不明者662人、負傷者は9485人に上った。被災者の一人で市内の高橋順一さん(86)は、同年12月発行の函館大火供養和讃を家宝に、「あの日の感覚は忘れられない。これを見返すたびに供養と防災の徹底を自分に戒めている」と語る。
この供養和讃は、当時、高龍寺にいた故齊藤彰全氏(現・函館市昭和の永全寺を築いた僧侶)が自費出版したもの。「この惨事をいつまでも忘れずに」と犠牲者供養と復旧に勤しんだ住民に寄り添う言葉と絵でつづられている。
高橋さんは祖母が手に入れた和讃を大事に保存。大火発生時、火の粉が舞う中、高橋さんは祖母の手を強く握って逃げ「着物の中に火の粉が入って熱くて川に飛び込んで亡くなった人をたくさん目にした。供養和讃の挿絵がまさにあの光景だった」と回想する。そして「80年前の大火が今に生きる人、さらに未来の子どもたちの幸せづくりに生かされることが必要。だからこの供養和讃をいつまでも大事に守っていきたい」と力を込めた。
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